昨日、歩いて会社に向かう道すがら
ちょっとだけ気の早い桜が咲いているのを発見
春ですなあ
春は、始まりの季節
来月から新しい環境で仕事や学生生活を始める、という方も多いんじゃないかと
この時期になると思い出すのが、初めてアルバイトをしたパチンコ屋の事
だいたい20年ぐらい前かな
田舎から大阪に出てきたばかりで、右も左も分からない
そんな、18歳のピヨピヨのヨチヨチの若者だった僕
大阪に来るのも初めて、一人暮らしも初めて、自炊も初めて
何もかもが未経験で教えてくれる人もおらず、今考えるとよくあれで生きてこれたもんだと思うw
まあでも
どうにかこうにか引越しの片付けを済ませ
自炊も、パスタを茹でるぐらいならできるようになった頃
夜は暇だしバイトでもするかー
と、手に取った求人情報誌で目に留まった『時給1100円!未経験歓迎!』の文字列
他の職種よりも2段階ぐらい高いこの蠱惑的な時給に、特に深い考えもなく
飛びついたピヨピヨ18歳
それが結果的に良かったか悪かったかはさておき
かくして僕は、公私共にパチンコ業界と関わってゆくことになるのであった
今日は、そんな当時の昔話を少々
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
当時のパチンコ店の人気機種は
なんといってもこれ、ギンギラパラダイス
通称ギンパラ、もちろん初代ね
その頃はアルバイトだったから詳しい事は知らないけど、おそらくそこの店でも
主力かそれに近い扱いだったんだと思う
お客さんからの人気も高く、朝から晩までフル稼働
さらに、ドル箱も4000発入る大きいのがいくつも山積み
挙句の果てに常連さんも濃いキャラの人ばかりが集まってて、ここのコースを担当する日は
色々とかなりきつかったのを覚えてます
常連さん仲間にリーチが掛かると飛んでいって、大当たり図柄にタイミングを合わせて
物凄い勢いで下皿をドツキまくる(本人曰く『魚を手伝っている』)オバチャンとか
席に座ったらまず最初に、必ず現金で山盛り3箱分(15000発ぐらい)の玉を買ってから
打ち始めるおじいちゃんとか
まあとにかく色んな人がいたわけ
そんなわけで
ギンパラのコースは、主に若い男性スタッフが担当させられる事が多かったんだけど、
中でも僕が一番若いってことで、順番が回ってくる機会も多く
その日も僕は、ヒイヒイ言いながら仕事をしてました
『それ』に気付いたのは、お客さんの出玉を交換していた時のこと
今では少なくなった、シマの真ん中に設置されてるタイプのジェットカウンター
汗だくでそこに玉を流しながら、『あーしんど』と思いつつ横目で隣の台のリーチと、
そのガラスに反射した後ろの台をボケーッと眺めていると―――
(※保留ランプ)
■ ■
■ ■ < パッ
ん?あれ?
今、保留ランプが4つ同時に点いた?
一度に4つも玉が入る事なんてあるのね、ほえー
と呑気な事を考えつつ、業務を再開
そのお客さんは今まで見た事ない人で、40歳ぐらいの男性
ギンパラのお客さんはほとんど全員常連さんばっかりだったから、僕の中で
ちょっと目立ってはいたのね
でもまあ、そういう事もあるのかなー、とまだその時は思ってました
で
なんとなく気になってはいたので、その後も玉を流す時に、反射でそれとなく見ていると―――
■ ■
■ ■ < パッ
あ、まただ
というか
今、スタートに玉入ってなかったよね
玉が入らなくても保留ランプが点くことなんてあるのかな?
これはなんか変だな、とようやく気付く僕
でも、当時はパチンコについてあんまり詳しくなかったから、台の故障か何かだと
思ってました
よし、分からない事は店長に聞こう
その直後、休憩の順番が回ってきたので事務所へ
お菓子を食べながらTVを見ていた店長に
僕 < 店長ー
店長 < んー?
僕 < 玉が入らなくても、保留ランプって点くんですかー?
店長 < ?????
これこれこういう事があって、と顛末を店長に報告
すると、それまで漫然とTVを見ていた店長は、慌てて監視モニターの前へ
しばらくモニターを真剣な目付きで睨んでいたかと思うと、ホールへ出て行きました
そして休憩時間も終わり、ギンパラのコースへ戻る僕
引き続き、普通に仕事をこなしていると、のっそりとコース端に店長の姿が
店長だけでなく、社員さんも登場
あれ、反対側にも社員さんが2人いる
やっぱり台が故障してたから直しに来たのかな?
この期に及んでそんな呑気な事を考えていると、コース端から僕を手招きする店長
とりあえず、呼ばれたのでそちらの方へ行ってみると
店長 < お前、ちょっとコースから離れとけ
僕 < ?????
事情を飲み込めないまま、とりあえずコースから出る僕
すると、件の男性におもむろに近づいていく店長
肩を叩き、何やら声を掛け
そして、店長に連れられてコースから出て行く男性
???
??????
????????????
何が起こったのかさっぱり分からないけど、僕はどうすればいいのかな?
どうやら店長と男性は、事務所に入っていった模様
ああ、やっぱり台が壊れてたからその話をするんだな、と思いつつとりあえず仕事に戻る僕
今考えると、どこまで呑気なんだと我ながら思うんだけどまあ何も知らないピヨピヨだったので
それもやむなし
知らないって怖いですね!
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で、その後
事務所に呼ばれ、電波ゴトについて店長から説明を受ける僕
当時はゴトなんて、ゴト師株式会社の映画ぐらいしか知らなかったもんなw
ほんとにそんなのがあるんだなー、ってのが話を聞いた感想
ピヨピヨの18歳が、ちょっとだけ世界を垣間見た瞬間であった
ゴト、ダメ、ゼッタイ
おしまい
・・・・・・・・・と思いきや
実はこの話にはちょっとだけ続きがあってですね
店長の話を聞いたあと、僕がギンパラのコースに戻ると
あ、あれ?さっきの男性がまた同じ台に座ってる!!!???
大慌てで、店長に報告すると
店長 < ああ、出玉とゴト器具は没収したから、普通に打つなら打って良いよって言っといた
いいのかよw
その後男性は、少し打ってから帰って行きました
どうやらパニーカード(プリペイドカード)の残高を使い切りたかった模様
今思うと間違いなく警察沙汰にするべき事案だけど、当時はそういうのもいい加減だったんかな
なんつーか、こう
時代を感じますなあ
おしまいヾ(・ω・)バイバーイ
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